モノローグ天井桟敷

ショートでは悲劇ロングでは喜劇    本当はみんなコメディ

ネガティブXネガティブ

ちりとてちんフリークNo.6
何度も見ていると、先週より今週の母子の別れが味わい深く思う。
茶色い料理のように。1人電車内で静かに泣くお母ちゃんが愛おしいなぁ。
そこにはいつものエプロン姿がない。底抜けに温かいよ。

大阪編に入り初登場者が増えた今週だが、スーパーお母ちゃんの
最強、最笑は変わらなかった。

このドラマを二度目に見たとき、毎回のように
エプロンが変わっていることに気づいた。
おもしろいので数えてみたが、きりがないので途中でやめてしまった。

このこだわりは、エプロンがお母ちゃんの戦闘服だからだろう。
そのエプロンを脱いで小浜に帰る何気ない後姿にジワッと来て・・・

今週のMVPは、糸子と哀れの田中。

第1週の梅丈岳かわらげ投げ、第2週の「ふるさと」絶唱もいいのだが、
第3週の母娘が対面した後の別れが一番ズシンと心に響く。
和久井映見は、シリアスとコミカルを同時に演じることができる稀な女優だ。
それができるのはあと数人しか思い当たらない。

もう一人の哀れの田中は、1回限りの登場でこのインパクト。
初見のとき、「なにわ金融道」の奥義はこれか、と大笑いしたのだが、
見れば見るほど、息苦しくなってくる。
自分にも思い当たるふしがあるからだ。

徳井優は、哀れさを絶妙なところで寸止めしている。
それがキヨミが自分の哀れさ(と思っている)を表に曝け出す呼び水に・・・

それまで順子にしか表していない自分の思いを知らない人の前で
曝け出す。それを根っからの芸人、草若は見逃していない。

たとえていえば、ネガティブでブラックホールのような存在が
出会うことで、核融合反応を起こすようなイメージ。
そのエネルギーは、同じくネガティブな草若、徒然亭一門を包み込んでいく。
ただ、その進む道はダッチロールだが。(笑)

そんなキヨミの微妙な変化に感の鋭い母ちゃんは気がついていた。
でも、見ず知らずのところに残したままでいいのか・・・
このぎりぎりの状況でした選択は男前だった。これも和久井映見がうまい。
そして、もう一人の糸子を思い浮かべた。→カーネーション

最後に助演賞として、草々の髪の毛と寸足らずのスーツ姿を挙げておく。
もう一つあった。助演小物賞として「毛糸のパンツ」。(爆)

(付録)
草々「なんで、天津甘栗なんや」
キヨミ「茶色いねん」

それでは、また。