モノローグ天井桟敷

ショートでは悲劇ロングでは喜劇    本当はみんなコメディ

妄想の彼方

キヨミの妄想にも変化が起きているようだ。
ネガティブというより自虐的な妄想に溢れていたのが、
自分に都合のいい妄想もするようになってきた。

たとえば
  「キヨミって呼んでください」と草々を見つめる。
  友春と結婚してすぐに未亡人。そして悠々自適な生活。
しかし、そこにあるのは大きな落とし穴。

草々はキヨミ(B子)の名前に全く無関心。
逆にA子のことをキヨミちゃんと呼ぶことが、
自分の胸に刺さってくる。
さらに、落語「次の御用日」が追い討ちに。

キヨミは感情も想像力も豊かで傷つきやすいのだ。
ところが、友春の結婚妄想では、感情が抜け落ちてしまう。
このちぐはぐさが可愛らしく、守ってあげたいと周りが
思うんだろうな。

これは、キヨミのもって生まれてきた才能なのかもしれない。

A子には(今のところ)それがない。
もう一つA子にないのは、順子のような親友。
A子がB子に重要な進路を相談した真意をB子は分かっていない。
失恋モードではタイミングが悪すぎる。

この見事なすれ違いをタイミングよく仕掛けるシナリオ・・・

なかなか交わらないAとBの関係は少しずつ位置を変えながら回転し、
終盤までもつれていく。(誰にも両面あるんだよね)

第三者的存在の順子(C子)も同じ位置にずっといるわけじゃない。
順子が当事者として前面に出てくるとき、一体何が起こるのか。
初見なら、今からは
まったく想像できないだろう。お楽しみに。

ところで、糸子の珍語録にはカタカナ混じりが多い。
  ボブスレー サバンナ ビーム ・・・
キヨミ「おかあちゃん、サバンナって鯖に掛けてんの」
糸子「そうや。麗しのサバやで」
キヨミ「そ、それって、もしかしてムー・ビー?」

そして、妄想の尽きた彼方から、颯爽と草々がやってきた。
焼鯖を食べに。→め以子(ごちそうさん

それでは、また。