モノローグ天井桟敷

ショートでは悲劇ロングでは喜劇    本当はみんなコメディ

鏡の中

第31回の、鏡にシェービングクリーム。一体誰が考えたんだろう。
商売道具を大切にする本職ではありえない。候補は

1.脚本の指定
2.演出
3.磯七=松尾貴史のアドリブ→準備できない

ということで、1か2、1と2の合作、いずれかだと思っていた。
しかし、「あまちゃん」を経た現時点で考えると、
演出の井上剛さんだろうと推測している。

鏡による映像の妙は古くからある。白黒映画で思いつくのは、
市民ケーン」、「イブの総て」、「オルフェ」など。
最近の日本のドラマでも、「woman」では田中裕子の場面で
ガラス戸の反射が何度も使われていた。

しかし、今回よく見ると、おかしなことに気がついた。
正面から撮った鏡にカメラが映っていない。ホラーか。
この凝った手法(しかもロケ)をしたのにはわけがあるはず。

たぶん、キヨミにとって3度目の異世界進入になるのだ。
(草々の鏡もシンクロしている)

1度目は、車でトンネルを潜り抜け小浜に至り、
おじいちゃんと落語に出会う第1週。
2度目は、大阪に出てきて、天満宮を経て
草若邸にたどり着く第3週。

鏡の向こう側は異世界。
「アリス」の世界や「ジブリ」の世界に似ている。
しかし、キヨミには真っ直ぐに通り抜けることができない。
過去をそのまま取り戻すこともできない。

キヨミにできるのは「逆回転」ではなく、
らせんを「順回転」させること。

落語劇「崇徳院」の「熊はん」は現代の路上にワープ。
握り飯とわらじが妙にリアル。見つけるしか道はない。
落語と現実の境界が消え、どうにも後戻りできない。

もうキヨミは異世界の中にどっぷりはまっている。
(そこは可笑しくて楽しい世界)

仲間や同志が集まる展開は、いつでもワクワクする。
三国志」「水滸伝」「七人の侍」「ワンピース」「ドラクエ」・・・?

それでは、また。